脱サラして東北から北海道の知床に移住してきたという菅野又康彦さん・晴子さん夫妻。
道東でのくるま旅を楽しむようにキャンピングカーオーナーになり、ついにはRVパークオーナーに転身しました。
「まるで開拓ストーリーのようだった」という、完成までの道のりを伺いました。

私たち夫婦が知床に移住してきたのは、2014年春のこと。妻は宮城県の大学を卒業、私は長年勤めた長距離トラックの仕事を退職して、新たな夢を探しに移住してきたのです。二人とも旅行、なかでもくるま旅が好きだったので、休みともなれば道東の気になるへ軽自動車に寝袋を積んで旅していました。そのうちキャンピングカーに興味を持つようになり、貯金をかき集めて初めてのキャンピングカーを購入。やがてキャンピングカー仲間と交流するうちに「この知床でもっと使いやすくて寛げるキャンプングカーの滞在場所があればいいのに」と思うようになったのです。これがRVパーク造成への第一歩、そして二人の新たな夢となりました。
まず着手したのは土地の選定と購入、そして地元自治体との交渉です。全てが初めての経験でしたが、苦労の末になんとか住宅付き土地を購入。そして2017年5月、やっと雪解けした住宅裏の造成予定地500坪を見て驚きました。「これはジャングルだねぇ・・・・・・」
そこには無数の木々と背の高い雑草やイタドリ、フキなどが生い茂り、さらに倒木、枝木、前所有者が残したゴミ、鉄屑、古タイヤ等々が散乱していました。予算の関係もあったので、私たちは業者に頼まず自分たちの手でこの500坪を整備・開拓することに。毎日仕事の合間に、チェンソーと草刈り機でジャングルと格闘する日々が始まりました。ジャグルには様々な“先住民”がおり、スズメバチやアブはもちろん、時には枝木だと思って持ち上げたのがアオダイショウ、と言うこともあいました。こう書くとなんだか悲壮感あふれる話しに思えるかもしれませんが、実際は妻と二人でいつも笑っていたように思います。妻は積極的に慣れない仕事に取り組み、私は心が折れそうなときは笑顔で手伝ってくれたのです。このことが夢のRVパーク完成につながったと思います。一人ではとても成し得ませんでした。